斜里岳は北海道の知床半島の付け根に位置する標高1,547mの火山です。知床火山群と阿寒火山群のほぼ中間地点に立地しており、斜里岳道立自然公園に属しています。日本百名山、花の百名山、新・花の百名山、北海道百名山などに選定されており、清里町の代表的な山岳として知られています。
アイヌ語では「オンネヌプリ」と呼ばれ、これは「大きな山」または「年老いた山」を意味します。山名の「斜里」もアイヌ語に由来し、葦が生育する湿地を表す言葉から来ているとされています。山容は角度によって三角形に見え、「オホーツク富士」や「斜里富士」という別称でも呼ばれています。
山頂部は斜里岳、南斜里岳、西峰などの複数のピークで構成され、それぞれの中央部には古い火口が残されています。火山活動の時期は約30万年前から25万年前とされ、基底の直径は約12kmに及びます。山頂部には6個の爆裂火口が確認されています。
登山ルートは主に3つのコースが設定されています。最も一般的なのは清岳荘を起点とする旧道コースと新道コースで、多くの登山者は登りに旧道、下りに新道を選択します。旧道コースは沢沿いを進む特徴的なルートで、羽衣の滝や見晴しの滝など複数の滝を通過します。この区間は沢登りの要素が強く、数十箇所の渡渉を伴います。濡れた岩場は滑りやすく、足場に注意が必要です。新道コースは尾根伝いのルートで展望が良好です。三井コースは別の登山口から入山するルートとなっています。
上二股と呼ばれる地点で旧道と新道が合流し、ここには携帯トイレ用のブースが設置されています。さらに沢を詰めると胸突八丁と称される急登区間があり、稜線に出ると馬の背と呼ばれる鞍部に達します。この付近から山頂までの区間はハイマツ帯となり、斜里岳神社を経て山頂に至ります。
山頂からの展望は良好で、羅臼岳、阿寒岳、大雪山系などの周囲の山々のほか、オホーツク海、国後島、斜里の市街地などを一望できます。標高1,500m台ながら、高緯度に位置するため山頂付近は高山帯の植生を示します。高山植物が豊富で、特にチングルマなどの群落が見られ、7月上旬から中旬が開花の時期となります。ただし、7月中旬頃までは残雪が多く見られる場合があります。
登山口の清岳荘は標高約750m地点にあり、山頂までの標高差は約800mとなります。所要時間は体力や経験により異なりますが、往復で6時間から9時間程度を要します。北海道の山岳であるため、ヒグマへの対策が必要です。
山バッジ情報

- 購入場所:
- 購入時期:2013年
- 裏側:安全ピン
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